英語を書いていて、こんなことで迷ったことはありませんか?
- and の前にカンマを入れたほうがいい?
- 3つ以上のものを並べるときはどうする?
- or と nor は何が違う?
カンマ(,)は、文の構造や言葉同士の関係を読み手に伝える記号です。息継ぎの感覚だけで決めるより、「何と何をつないでいるか」を見ると判断しやすくなります。
この記事では、and・or・nor を使った英文を中心に、カンマの基本を整理します。まずは「2つの単語をつなぐ」「3つ以上を並べる」「文として成り立つ内容どうしをつなぐ」の3つを区別してみましょう。
1.まずは and・or・nor の意味を確認しよう
and と or は、単語や語句、文をつなぐときに使う「接続詞」です。nor も接続詞の一つで、まずは neither A nor B という組み合わせで覚えると使いやすくなります。
- and:AとB/そして
- or:AかB/または
- neither A nor B:AもBも〜ない
I like tea and coffee.
私は紅茶とコーヒーが好きです。
Would you like tea or coffee?
紅茶とコーヒー、どちらがいいですか?
I drink neither tea nor coffee.
私は紅茶もコーヒーも飲みません。
このように、2つの単語を普通につなぐ場合、通常はカンマを入れません。
2.3つ以上のものを並べるときはカンマで区切る
3つ以上のものを並べるときは、項目の間にカンマを入れ、最後の項目の前に and や or を置きます。
I bought apples, bananas, and oranges.
私はりんご、バナナ、オレンジを買いました。
You can choose tea, coffee, or juice.
紅茶、コーヒー、ジュースから選べます。
and は項目をまとめて並べ、or は選択肢を示しています。
最後の and・or の前にもカンマが必要?
次の2つの書き方を見かけることがあります。
- apples, bananas, and oranges
- apples, bananas and oranges
最後の and の前にあるカンマを、オックスフォード・カンマ(Oxford comma)、またはシリアル・カンマと呼びます。or の前にも使えます。
このカンマを入れるかどうかは、採用する文章のスタイルによって異なります。「必ず必要」「入れると間違い」と一律には言えません。
学校や職場に指定がある場合は、それに従いましょう。指定がなければ、同じ文章の中で使い方をそろえると読みやすくなります。この記事では、3つ以上の項目を並べるとき、最後の and・or の前にもカンマを入れています。
3.and の前のカンマは「何をつないでいるか」で考える
単語や、主語を共有する動作をつなぐ場合
I like music and movies.
私は音楽と映画が好きです。
music と movies という2つの単語をつないでいるので、通常はカンマを入れません。
I opened the window and looked outside.
私は窓を開け、外を見ました。
こちらは、I という主語に対して opened と looked の2つの動作が続いています。このような場合も、通常はカンマを入れません。
それぞれ単独で文として成立する内容をつなぐ場合
I opened the window, and a bird flew into the room.
私が窓を開けると、鳥が部屋に飛び込んできました。
この英文は、次の2つに分けられます。
- I opened the window.
- A bird flew into the room.
どちらも主語と動詞があり、単独で文として成立しています。このようなまとまりを「独立節」と呼びます。
独立節どうしを and でつなぐときは、and の前にカンマを置くのが基本です。短く、関係が密接な独立節では省略されることもありますが、まずは基本の形を覚えましょう。
なお、主語が同じ人でも、後半に主語をもう一度書けば、独立節どうしをつなぐ形になります。
I opened the window, and I looked outside.
私は窓を開け、外を見ました。
「同じ人の話ならカンマは不要」と決めず、文の形を見るのがポイントです。
主語と動詞の基本を復習したい方は、「英語の5文型をやさしく解説」も参考にしてください。
関連記事を読む
4.or の前のカンマも同じ考え方
2つの選択肢をつなぐ場合
You can call me or send me an email.
電話をしてもいいですし、メールを送ってもいいですよ。
You can を共有して、2つの行動を並べています。通常はカンマを入れません。
独立節どうしをつなぐ場合
We should leave now, or we will miss the train.
今出発しないと、電車に乗り遅れます。
前後は、それぞれ単独でも文になります。
- We should leave now.
- We will miss the train.
そのため、基本の形では or の前にカンマを置きます。
このように、or は「または」だけでなく、文脈によって「そうしないと」という意味でも使われます。
5.nor は neither と組み合わせて覚えよう
neither A nor B:AもBも〜ない
The room has neither a TV nor a refrigerator.
その部屋にはテレビも冷蔵庫もありません。
neither と nor が組になって、2つとも否定しています。このように2つの名詞をつなぐ場合、通常は nor の前にカンマを入れません。
neither 自体に否定の意味があるので、この形にさらに not を加える必要はありません。
否定文だからといって、必ず nor を使うわけではない
次の英文も自然です。
I don’t drink tea or coffee.
私は紅茶もコーヒーも飲みません。
この文では、don’t の否定が tea と coffee の両方にかかっています。「否定文では or を nor に変える」と覚えないことが大切です。
neither … nor は、会話では少しかしこまった響きになることがあります。まずは、上のような not … or の形も使えるようにしておきましょう。
don’t と doesn’t の使い分けが気になる方は、「現在形の否定文」の記事で復習できます。
関連記事を読む
発展:nor で別の否定を追加する
ここからは少し発展的な使い方です。最初は「こんな形もある」と知っておくだけで大丈夫です。
She cannot drive, nor can she ride a bike.
彼女は車を運転できず、自転車に乗ることもできません。
前半の否定に、「自転車にも乗れない」という内容を追加しています。この形では nor の前にカンマを置き、後ろを can she の順にします。通常の語順を入れ替える「倒置」という形です。
この例の語順:nor + 助動詞 + 主語 + 動詞
疑問文に似た語順ですが、質問しているわけではありません。また、nor 自体に否定の意味があるので、この例では can に not を付けません。
一般動詞の場合は、do・does・did を使い、その後の動詞は原形にします。
He did not call, nor did he send a message.
彼は電話をせず、メッセージも送りませんでした。
日常会話で伝えるなら、次のように2つの文に分けても自然です。
She can’t drive. She can’t ride a bike either.
彼女は車を運転できません。自転車に乗ることもできません。
6.カンマだけで2つの文をつながない
カンマでよくある間違いが、独立した2つの文をカンマだけでつなぐことです。
避けたい例:
I was tired, I went to bed early.
標準的な英文を書く練習では、次のように直しましょう。
ピリオドで分ける:
I was tired. I went to bed early.
疲れていました。早く寝ました。
接続詞で関係を示す:
I was tired, so I went to bed early.
疲れていたので、早く寝ました。
この例では、理由と結果の関係を示す so を使っています。カンマだけに頼らず、文を分けるか、内容の関係に合った接続詞を選びましょう。
7.接続詞の前以外でも使う、基本のカンマ
文の前に置いた if などの節の後
If it rains tomorrow, we will stay home.
明日雨が降ったら、家にいます。
先に置いた If it rains tomorrow の後で区切り、主な内容がどこから始まるかを示しています。
呼びかける相手の名前の前後
Thank you, Ken.
ありがとう、ケン。
Ken, could you help me?
ケン、手伝ってくれる?
名前が呼びかけとして使われているときは、カンマで区切ります。名前が出てきたら必ずカンマが必要、という意味ではありません。
Ken likes music.
ケンは音楽が好きです。
この Ken は文の主語なので、Ken の後にカンマは入れません。
まとめ:カンマの前に「何をつないでいるか」を確認しよう
- 2つの単語や語句:通常はカンマ不要
- 主語を共有する2つの動作:通常はカンマ不要
- 3つ以上の項目:項目をカンマで区切る。最後の and・or の前はスタイルによる
- 独立節どうしを and・or でつなぐ:接続詞の前にカンマを置くのが基本
- neither A nor B で2つの名詞をつなぐ:通常はカンマ不要
- 否定の内容に「, nor + 助動詞 + 主語 …」を続ける:倒置に注意
カンマは、英文を読みやすくするための道しるべです。
まずは「単語をつないでいるのか、それぞれ文になる内容をつないでいるのか」に注目して、自分の英文を見直してみましょう。nor の倒置は、その基本に慣れてから少しずつ使っていけば大丈夫です。
参考資料
Purdue OWL「Commas: Quick Rules」
参考資料を読む
MLA Style Center「Commas, Conjunctions, and Modifiers」
参考資料を読む
Cambridge Dictionary「Neither, neither … nor and not … either」
参考資料を読む
Cambridge Dictionary「Or」
参考資料を読む
Cambridge Dictionary「Punctuation」
参考資料を読む